光は流れに逆らうものだから。
君が語る僕は きっと僕じゃない誰かで
飛行機雲ほど真っすぐな愚直さと 千切れたチョークに等しい脆さで
人を傷つけ自分をも傷つけていた
君が描く僕は さしずめ僕の憧れで
酸性雨の中ずぶ濡れの憧憬 嫉みと妬みを交互に積み上げて
「今」の延長線上に立って尚更「今」を問う
世界を知ろうと先を急ぐ ただ君の足跡を辿って歩く僕
ぎこちなく一歩ずつ踏みつけて 気がつけば君を見失ってた
夕月夜光映ろひ逆ひし影 流るるほどに散り紛ひたり
交差点に光が行き違い 互いに分かち合う痛み
交わした約束が軋む音 荒れ果てた花壇で埋もれる
いつか雨は降る いずれ花は散る やがて躓く されど足掻く もがく
強くなろうと願う 変わろうと嘯く 夜明けにたじろぐ 静謐がさざめく
無垢に笑う君と 今も泣いている僕 人を照らす君と 自分を翳る僕
日々を歩む君と 死に損なった僕 僕を愛した君と 君を愛せなかった僕
あの日の続きはもうしなくていい 穢れたこの手じゃ何も掴めない
君は君の選ぶ道を進んでいい 黙りこくった部屋の中でいい
だからね ほら 君は笑ってる 僕を握るその手から伝わる温もり
リフレーンのような朧げな僥倖 描き出せないもどかしさを堪えて
飲み過ぎて逃した帰りの終電 虫の死骸と共に幼さを葬る
流れゆく季節と平行する 君から届いた一枚の絵はがき
いつかの青すぎた夢を抱えて 再び出会う日にその色は違えど
君が信じる僕は 君を信じる僕と等価
ベランダに干しっぱなしの洗濯物 暖かい小春日和の風を浴びて
こんな世界でも明日は続けそうだから
そんな君を好きになった そんな僕が好きだった