2025

風船

手に収まるほどの幸福 
握り潰して 砕けるまで
流れ星に唱えた願い 
重力に放り出されて

昇る風船のような僕らは 
逃れられない運命に囚われ
破れかぶれに降り下ろした 
希望を抱いたまま

後悔という名の雨に 
ずぶ濡れのまま 風を待つ
明日は 明日も 笑って泣いて 
明かりにつられて墜落してゆく

宇宙において星は僕らで 
世界において僕らは埃で
悲しみに溺れ 真っ暗で泣いて 
見上げる空に風船が浮かぶ

望まれる度に見捨てられて 
僕らの言葉を探して
輝く未来 姿を見せない 
風船が萎んで 掴みたくて

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