2025
未完成
そっと白い息を吐く 枝の端でざわめく
雪は空から降り注ぐ 瞬間を刻む
見慣れた曲線を描く 時計の針悴む
水面に枯葉が渦巻く 無言な夜 欠けた輪郭
風が紡ぐ幾千の結び目 消えた色も重力に揺らめく
台無しにしてしまったのは きっと些細なものだから
喪失の空白を埋める 地面にへばりつく
真っ黒に塗りつぶし 継ぎ接ぎだらけでも それでも
ねぇ 見てごらん 咲いてるよ 僕の死骸から
綺麗な一輪のマリーゴールド まるで見せしめの磔のような
大気圏で焼け落ちた隕石の 花火が永遠ならよかった
巡り巡れど季節はただ 去りゆく記憶の隅っこに
行き先を風の流れに任せ 景色がきらめく
涙の旅路を恐れずに歩く 僕は別れを知らなかった だから
過ぎ去りし過去を道連れにしてよ
息をひそめながら 遠く及ばないとしても